2007/11/05

Nukui de Kotatsuを振り返る

来店数(40組弱)だけ見れば、物足りないが、まずまずだろう。

しかし、事前の準備や広報の明らかな不足は否めない。

客層も、ほとんどが中高年。本企画の本来の目的である、「若者への日本酒マーケティング」と言う観点から見れば、失敗に終わったといってもいい。

私は一階入り口付近でサンプリング(試飲)をやっていたのだが、そこでも飲むのはほとんどが中高年。若い男性も飲んだが、稀であった。更に女性となるとほとんど皆無。

二人連れかグループで、男性が飲むついでにと言う人はいたが、拒否する人も少なくなかった。

しかし、実際に試飲した人の感想は、ほとんどが「飲みやすい」・「おいしい」というもの。今回、試飲用に提供したものは「都鶴 山田錦純米 極辛」(都鶴酒造)・「まるたけえびす」(佐々木酒造)であり、決して高価でいい酒ではない。よって、実際に飲んで体験してもらうことが一番のアピールになることを改めて確認した。

だが、いつまでも無料試飲イベントを続けるわけにもいかない。

なぜならば、無料試飲と言うのは酒蔵からの無料提供があってこそのイベントであり、その場合、酒蔵からの意向は無視できないので、どうしても酒蔵の顔色を窺いながらのイベントとなる。

そうなると、学生の自主的な活動ではなく、酒蔵の出先機関になってしまう。

そして、何より、利益が出ない。利益が出ないことには、何も活動できないのである。

そこで、今回は酒蔵からの無償提供を断り(実際にまだ出すという話もあったそうだが)、京都文化博覧会の乗じて店を出させてもらったのである。

私は、個人的にはこたつ居酒屋は受けると思う。

だが、それは中高年齢層の話であって、何度も言うが、本企画の狙いではない。

本企画のコンセプトである、「大人・本音・京都」のどれも満たしていないからだ(京都の地酒を使っている、と言う点では「京都」のみ満たしているが)。目先の目新しさに走った結果である。

洋風か和風かと言う問題ではない。ちょっとおしゃれで、日本酒をはさんで、思わず本音をついてしまいたくなる様な空間作りが大切なのである。

そういう意味では個室が一番だろうが、それだとお互いに敷居が高すぎる(客側も入りにくいし、私たちもコスト面の余裕が無い)。今後の課題であろう。

前回の京都酒コレは成功を収めたが、それは事前の広報活動の徹底(フリーペーパー・ラジオ)、空間作り(夜間限定営業・テーブルキャンドル・ジャズ生演奏)、そして無料と言う三本柱があったからであろう。更に、学内食堂での開催と言うこともあって、ターゲティングも必要としなかった。

今回は無料・学内と言う大きな武器が無い分、他の二つをより強化しなければならなかったのに、軽視していた。そして何より、基本理念である「若者へのマーケティング」と言う部分が忘れられていた(つまり、年齢を問わずどれだけ客を呼ぶかに執心していた)ことに失敗の原因があると思う。

次のイベントはNF(京都大学学園祭)での模擬店出店だが、これは学園祭と言う性質上、「大人・本音・京都」を満たすことは難しいであろう。ただ、期間も四日間あるので、前回の京都酒コレより多くの人に触れてもらういい機会にはなる。

あと二週間しかないので学外への広報は難しいが、経験上、広報無しでもある程度の人は集められる。あらかじめコンセプトを満たせないと分かっているのなら、割り切って、利益を得るための日本酒試飲・即売会に徹するのも一つの手だと思う。

NF以降のイベント予定は無い。少人数での活動ゆえすでにメンバーが疲弊しているので、回復させるという意味もあるが、今後の活動方針を改めて練り直す期間にすべきであろう。

特に、若者へのマーケティング方法を明確にしなければならない。これができなければ、この企画は失敗に終わる。たとえ町屋を貸し切って空間作りに成功しても、若者が来なければ意味が無いのだ。

QRコードを張っただけではアクセスしてくれないのと同じである。

私は今回、実験的にビラとメニューにそれぞれ、KAMの広報ページと銘柄紹介ページへリンクさせたQRコードを張ったが、結果、一人ずつしかアクセスがなかった。

アクセスする価値を見出せなかったからであろう。ミニゲームやクーポン発行など、その価値を見出せるようにしたい。

今回の失敗を教訓にして、次の成功につなげたい。

0 件のコメント: