2008/03/24

快い広告

明日のビーコンプレゼン面接に向け、今夜東京へ出発です。

風邪が順調に進行中で喉が痛いんだけど、まあ明日には何とかなるでしょう。

ならなきゃ、即興で紙芝居でもやるか!

とか書いてるうちに、DAC1次面接通過の連絡。

よしよし。


◆ 動く、というより動かす ◆

で、昨日紹介しそびれた朝日新聞「動く広告」です。

3月22日付朝日新聞夕刊より。



朝刊にも同じように告知がありましてね。

楽しみにしてたわけですが。


(テレビ欄に掲載されたもの)


(拡大図)

ちょ、これ、酔うw

てっきり、錯視的なものかと思ってんだけど、どうも違う。

実は、こんなフィルムが付いてまして。



なんかちょっと折れ曲がってたりするのは、ゴミ袋の中にくしゃくしゃにされていたのを掘り起こしたからですよ。

お母さん捨てないでって言ったでしょ!

でですね、このフィルムをさっきの異様な絵の上に重ねて、左右にスライドさせたのが次の映像です。



携帯の動画だし見にくいかもしれないけど、太田光の口が動いてるのが分かりますか?

でもこれはまだ分かりやすいほうです。

この日の夕刊の広告は小さいのを除いて全部動く仕様だったんですけど、なかにはどこがどう動いてるのかめちゃくちゃ分かりにくいものもあったりします。

それ以前にフィルムの動かし方にもコツがありまして、平行にゆっくりスライドさせなきゃ動いてるように見えない。

で、結論。

これは「動く広告」ではなく、「動かす広告」だよ。

もっと簡単で分かりやすいのならよかったけど、手間で分かりにくいから、ダメ。

これなら、前の3D広告のほうが良かったけど、どっちにしろなんか方向が違うと思う。

従来の新聞広告を変えよう、という心意気は大歓迎けど、変わってるだけじゃなんのこっちゃさっぱり分からん、と相手にされない。

まあ、こんな広告をメインにしようと言うわけじゃないんだろうけども。

新聞広告は、記事を読むためにめくっているときにハッと目に留まるところから始まると思う。

その目に留まったときに、興味云々以前に、今回の「動く広告」のように何が描かれてあるのかさっぱり分からなかったら、スルーだ。

だから僕はぜひ、いつの話か分からないけども、ペーパーディスプレイの新聞広告をやってほしい。

これは革命を起こすと考えている。

あと、今実現できるものだったら、飛び出す絵本的なものね。

同じ紙面だったらかさばって仕方が無いだろうけど、別刷りにすれば可能だ。

こっちのほうが、ウケがいいと思うけどなあ。


◆ 好きな魚はコンゴウフグです ◆

で、もひとつ。

3月20日付朝日新聞朝刊。

美ら海水族館「美ら海図鑑―保存版―」




これは、美ら海水族館の生き物達を紹介してきた突き出し広告を、総集編として一面にまとめたもの。

単に今までの広告を集めただけでなく、「図鑑」っていう位置づけにしたが良かったのだと思う。

それに、これ以外の突き出し広告を集めても、単なるキャッチコピー集になってしまう。

で、しかもこれ、冊子状にできる。




でもねえ、めんどくさい。

何より、切る回数が多い。

こりゃ、よっぽどのヒマ人か俺じゃなきゃやらないよ。

幼稚園~小学校低学年の遊びにはピッタリかもね。

例えば、ミウラ折り的な要素を取り入れるとかしたら(これも著作権がどうこうとかあるんだろうけど)、もっと簡単に楽しめたのにな、と。


◆ 五感に訴える広告 ◆

いずれにしろ、今日取り上げた2種類の新聞広告は「読者を動かす広告」だったけど、まだまだ「動かす」力が足りないな、と感じた。

そのためには、「簡単」と「わかりやすい」の2つの要素が大事だと思う。

例えば、DVDが付いてたって、それをDVDレコーダーに入れて再生するという「手間」が必要だから、よろしくない。

もっと感覚的に訴えなきゃ。

さっき言ったように飛び出す絵本的なもので視覚に訴えるとか、音の出るグリーティングカードみたいにメロディーを流して聴覚に訴えるとか、生地のサンプルを貼り付けて触覚に訴えるとか、匂い付きで嗅覚に訴えるとか、舐めて甘い味がして味覚に訴えるとか。

だが、においと味に関しては、においが出る新聞広告舐める雑誌広告の例が既にある。

更に匂いで言うと、映画『パヒューム』で匂いまくる宣伝やってたり、アメリカではバス停にクッキーの匂いつけたり、「匂い広告ビジネス」はやっぱりもう始まっている。

そうは言いつつ、匂い広告があまり広まっていないのは、嗅覚が人間にとって一番敏感で、好き嫌いが激しいからだろう。

僕だって、煙草の宣伝で煙草の臭いを流されちゃたまったもんじゃない。

あの匂い(というか臭い)は、息がしにくくなるほど不快なのだ

この分野については心理学の講義で軽く触れられたのを聞いただけなのだが、嗅覚が一番敏感だという例で言うの一つに、匂いが過去を呼び起こしやすいという話がある(プルースト効果と言うらしい)。

味も、やはり「舐める」という行為に抵抗があるのだろう。

僕も、ないといえば嘘になる。

五感に訴えるというのは大事だと思うのだが、厄介なことにそこには常に快・不快の問題が絡んでくる。

つまり、いかに不特定多数を不快にさせずに(願わくば快く)訴えるか、と言うことが大事になってくるだろう。

そういう意味で、今後は「快い(心地よい)」がテーマになってくるんじゃないだろうか。

と結論を出したところで、もう愕然。

既に4年前、Martin Lindstrom氏が『Brand Sense(邦題:五感刺激のブランド戦略)』で五感の重要性を訴えている。

ああ、所詮素人の僕の思いつくことなんぞ、4年以上も前に考えられ、実践されてきたことなのか。

だけど、一般市民として、今の日本でそれほど五感に訴えられるような広告やブランド戦略に出会ったことはない。

…そうか!俺がやればいいのか!

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